2006年12月14日木曜日

不思議な物質

『液体なのに、鉄より固いものと言えばなんでしょう?』
分かった人は手の施しようが無いの雑学マニアか、化学系の職員だろう。



正解は「ガラス」
何だか矛盾に満ちた答えですけど、一休さん並のとんち話やナゾナゾとかそういうレベルではなく、事実そうなのです。


まず第一に、「ガラスって固体じゃん」と思われるかもしれませんが、分類上は液体です。
「固体に見える液体」と言えばいいのでしょうか。液体の粘性(ねばり気)が極端に高くなって形を保ってる状態と考えてください。
なぜそういう事が起きるのか、という事を説明し出すとガラスの分子構造まで話さなければならなくなるので、割愛。
「通常の転移点が存在しないから」と憶えておくといいです。
転移点とは、物質が固体→液体→気体と相転移するポイントの事。融点とか沸点とか、そういうやつです。


では次の疑問として、「鉄より固い」というのが挙がります。
ボールが当たっただけで割れるようなのが鉄より・・・?と思われるかもしれません。
あれはガラスそのものが弱いからではなく、変形させた後に冷却する時に出来る無数の傷のせい。
肉眼ではもちろん見えず、電子顕微鏡でやっと見えるくらいの傷ですが、それがガラス中に存在してます。
ヒビの入った容器が割れやすい、という事と同レベルのお話。
逆にその傷を一切無くしてしまうと、鉄より固い物質の出来上がり、というわけです。



こういう当たり前に見えて実は不思議なものが沢山あるから、世界って面白い。

0 件のコメント:

コメントを投稿