2006年10月30日月曜日

設定の合理性

小説の超能力設定で一番ポピュラーなのは、恐らく念動力(サイコキネシス)だと思う。 その動作を力学的に分解してみると、大まかに以下の通りになるだろう。

1.発生
2.作用
3.収束

1は力の源となる要素、2は力そのもの、3はその力を終了させるところ、となる。
念じるだけで物体が動く、というものをサイコキネシスと仮定するならば、一番問題となるところは2である。

念じる、ということは1の発生源は脳ということになる。
そして物理法則に従えば、物体を動かすという時には必ず「作用・反作用の法則」が適用されなければならない。

となると、例えば50kgの物体を作用として動かす場合、反作用として脳にも50kg分の運動エネルギーが重量として掛かる事になる。
脳は高野豆腐に毛が生えたくらいの硬度しかないので、当然それだけの重量が一点集中すれば穴すら空くだろう。

ただ脳の表面積は意外とあるので、重量を脳全体で分散させれば潰れるまではいかないかもしれない。
とはいえ、変形は避けられない為、頭痛や吐き気が止まらないし、下手すると失神することになる。

こういう事を突き詰めて考えていくと、1の発生源を脳以外のどこかに変えた方がよい、という結論に達する。
そして良い回避案も思いつかないので、今日のところは寝た方がよい、となる。


寝よう。