2007年7月25日水曜日

口内電池

アルミホイルを奥歯で噛むと、顎が痛くなってアガガガガッて感じになる人もいるかと思います。
なぜああいう変な感覚が起こるのかと言うと、簡単に言えば「噛んだ瞬間に電流が流れているから」です。
この電流が歯の神経を刺激してしまうから痛い。この電流をカルバニー電流と言います。
では何故電流が発生するのか。その仕組みをちょっと解説。


電流が流れる前提として、以下のものが必要となります。

・電解質
・電位差のある金属

電解質とは、金属を陽イオンと陰イオンに変化(イオン化)させる物質の事。
電位差とは、イオン化しやすいかどうかという指標です。
この二つによって、イオン化しにくい金属(正極)からイオン化しやすい金属(負極)へ電子の移動が起こり、電流が流れるという仕組み。

簡単な例でいえば、中学の頃にやった果実電池などが同じ仕組みになります。
レモンやリンゴに銅板とアルミ板を刺して繋ぐと、豆電球がつく。
これは果実が電解質の役割を果たし、イオン化しにくい銅板(正極)からイオン化しやすいアルミ板(負極)へ電子移動が起こるため、その電流を使用して豆電球が点灯するわけ。

アルミを噛んだ口内でもまったく同じ事が起こっていて、唾液が電解質の役割を担い、アルミホイルがイオン化。
さらに奥歯に虫歯治療で銀歯をしていると、その銀歯もイオン化。
そこで銀歯が複数あった場合は、銀歯→アルミホイル→銀歯の間で電子移動が起こる事になり、結果として電流が発生します。
補足すると、この時の電流の強さは二極間の電位差が大きければ出力も大きくなるので、材質の違う銀歯を複数している人ほど痛い思いをする可能性が高い事になります。


ちなみにこのカルバニー電流、ほとんど流れない人もいます。どういう人かというと、

・虫歯がない人(一本も銀歯を入れていない人)
・銀歯が一箇所だけの人(電流が流れる為の正極と負極が作れない)
・複数の銀歯があるが、すべて同じ材質の人(電位差がないので電子移動が起きない)

しかしまぁ良いかどうかは別として、アルミホイルを噛むと口の中が電池になっていると考えれば、ちょっと面白くはある。

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