2007年1月9日火曜日

【解説】不完全性定理への挑戦

あまり面白くない話かもしれません、と先にお断りを。
『不完全性定理』について分かりやすく書いてあるサイトがなかったので、ちょっと挑戦してみようと思う。



主に数学で扱われる基礎定理で重要なのが、『不完全性定理』と呼ばれるものです。
その内容は二つ。

【第一の定理】
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。

【第二の定理】
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。



・・・分かり辛さ120%の書き方と言うしかない。数学はいつもこうだ。
なので、もう少し文学的に分解してみる。

過去に書いた、自己言及のパラドックスを例に考えてみよう。
「クレタ人は嘘つきだとクレタ人が言う」場合。

参考:http://arx8.blogspot.com/2006/12/blog-post_26.html

【第一の定理】
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が → クレタ人は嘘つきだ
ω無矛盾であれば → という事をクレタ人が言った場合、それを認めてしまうと、
証明も反証もできない命題が存在する。 → クレタ人が本当に嘘つきかどうか分からない事になる。

【第二の定理】
自然数論を含む帰納的に記述できる公理系が → クレタ人は嘘つきだとクレタ人が言う
無矛盾であれば、 → という事に矛盾が無いとすると、
自身の無矛盾性を証明できない。 → なぜ矛盾が無いのかは説明できない。



・・・なんだか分かり易くなったような、そうでもないような。
もっと簡単に言ってみよう。

【第一の定理】
チェスが自然法則に適した正当なルールなのかは、誰にもわからない。

【第二の定理】
チェスのルールが正当なものだとしたら、なぜ正当なのか説明しようがない。


・・・よし、少し分かり易くなった気がする。
更に一言で言えば、「ルールが正しい事を、そのルール内で説明するのは無理」ということだな。
ポーンは一マスしか進めないとか、ナイトは八方向に進めるとか、そんなのは人間が作ったルールだ。
作った本人でさえ「ルールだから」としか言えないのに、チェスの駒に聞いても尚更分かるわけがない。




という感じですが、どうでしょうか。
やっぱり分かりづらいかなぁ?

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