2007年6月27日水曜日

血液型における抗原と抗体

ABO式血液型は、例外を除けば4通りに分類されるのは誰でも承知してる事だと思う。
ではそもそもA型、B型、AB型、O型の4つは何をもって分類されるのか。

それぞれの血液型に分類されるキーは、抗原です。
A型はA抗原を持ち、B型はB抗原を持ち、AB型はA抗原とB抗原を持つ。O型はA・B抗原を持たない場合に振り分けられます。
そして抗原を持つ事と同等に重要なのは、抗原を攻撃する『抗体』があるかないかという事だ。
抗体は対となる抗原が存在する場所には存在しえないので、A型は抗B抗体を持ち、B型は抗A抗体を持ち、AB型は抗体を持たず、O型は抗A・B抗体を持つという正反対の状態になる。
例えば抗A抗体があるところにA抗原が来ると、その二つは形がピッタリなので合体して破壊してしまい、結果血液が固まってしまいます。A抗原を持つA型の血液が抗A抗体を持つO型に輸血できない、などの理由はこれです。
そこを踏まえてちょっと纏めてみよう。

・抗原と抗体(抗原は赤血球、抗体は血漿に存在)
【ABO式】 【A抗原】 【B抗原】 【抗A抗体】 【抗B抗体】
 A型      ○     ×      ×      ○
 B型      ×     ○      ○      ×
 AB型     ○     ○      ×      ×
 O型      ×     ×      ○      ○

・輸血の是非
【ABO式】 【A型血液】 【B型血液】 【AB型血液】 【O型血液】
 A型      ○       ×       ×       ○
 B型      ×       ○       ×       ○
 AB型     ○       ○       ○       ○
 O型      ×       ×       ×       ○

となる。
こうして表にすると、オールマイティで受けられるけど同型にしか輸血できないAB型と、オールマイティで輸血できるけど同型しか受けられないO型が印象的です。
この表を見て鋭い方は「輸血するO型血液側にも抗A抗体があるんだから、A型に輸血すればのA抗原を攻撃するんじゃないのか?」と疑問に思われるかもしれません。
確かにその通りですが、それでも可能だとされる理由は

・1つの赤血球を破壊するのに複数の抗体が必要。
・輸血される血液に含まれる抗体数では、抗原抗体反応があったとしても赤血球を少し破壊した程度で終わる。

ということなのだ。
逆にO型にA型の血液を輸血した場合は、

・抗体数が無尽蔵に近い為、輸血された血液に含まれる赤血球が全て破壊されるまで抗原抗体反応が続く。(赤血球は血液の44%を占める程ある)
・そもそも赤血球が破壊されるから輸血する意味がない。

という、イイトコナシな状態になってしまうわけ。
血液が固まる現象が長く続いてしまうと、人体はショック症状を起こしてしまうらしい。最悪の場合は死に至る事も。
現在ではそれを少しでも避ける為に、同型の血液しか輸血しないみたいですけどね。万能供血者のO型血液による異型輸血は、相当な緊急時のみ。
・・・あるのか?相当な緊急時って。出番ナシの予感。

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