2007年2月4日日曜日

文章の芸術

物事を正確かつ確実に伝えようとすると、文章は長くなり読み辛くなる。
物事を分かりやすく簡潔に伝えようとすると、文章は正確性を失う。


文章という表現方法が持つジレンマはこういう事で、物書きは往々にしてこのオルタナティブに悩む。
そして研究者や学者など『正確性を重視する人』は前者を選択し、小説家や編集者や僭越ながら私を含む文章書きなどの『読まれる事を重視する人』は後者を選択する。

この二つは文章が持つ制限上、排他的概念である為、「正確で確実で分かりやすく簡潔な文章」というものは基本的には存在しない。

でも存在し得ないはずのものだからこそ、この二つを兼ね備える文章があった場合、それは芸術と呼んで良いのではないだろうか、とも思う。

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