2007年8月3日金曜日

二時間 VS 二分

あまり時間もないので、今日は私が知っている逸話を。
裏取りはしてないので、正確ではないかもしれませんが。


1863年11月19日、アメリカのペンシルバニア州ゲティスバーグで戦没者の奉献式があった時の事。
主賓として招かれていたエドワード・エバレットが壇上に上がり、二時間にわたる演説で参列者と当時の新聞に絶賛された。
そのあと、同じく立ち会っていたエイブラハム・リンカーン大統領も演説を行う。

「・・・そして、人民の、人民による、人民の為の政府をこの地上から絶やさないことこそが、私達が身を捧げるべき大いなる責務なのです」

全257語1449字、時間にすると二分。
当時の参列者と新聞は高く評価せず、「大統領も演説した」という程度の認識だったそうです。
しかし一人だけ、この後世まで語り継がれる名言に反応した人がいた。それが主賓のエドワード・エバレットその人。
後に彼は大統領宛に手紙を送っている。

「閣下がわずか二分で到達された奉献式の核心に、私が二時間かけて少し近づくことができたと自惚れる事が許されれば幸いです」

これに対して、大統領は、

「あなたがそう言ってくれたおかげで、私の小さな演説が必ずしも失敗ではなかったと知り、安心しました」

と返事を書いている。
このやり取りの何が素晴らしいかというと、両方から滲み出る自信と謙虚さだと思うわけです。
自信と謙虚さは必ずしも排他的ではなく、両立させて主張する事が出来るもの。それを二人とも体言している。
実際には凄く難しい事だと思うけど、まだまだ未熟な私が目指すべき一つの指針である事には違いない。

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