2006年11月27日月曜日

囚人のジレンマ(パターン編)

一番良い選択をしたはずなのに、なぜかジリ貧になるという「囚人のジレンマ」
身の回りでも、こんな風に存在したりしてます。

【デフレスパイラル】
価格を上げるか、価格を下げるか。
お客さんを呼び込むには価格を下げた方がいいんだけど、一旦下げると競合店も下げてくる。
そうなるとまた下げないとお客さんを呼べない。
すると競合店も・・・儲ける為にお客さんを呼ぶはずだったのに、儲からない。困った。

【いじめ問題】
黙認するか、手を差し伸べるか。
手を差し伸べた方がいいんだけど、そうすると自分がいじめられる側になる。
黙認すると、いじめに荷担した事になる。いじめもエスカレート。
どうすりゃいいんだ。

とまぁ、社会構造のあるところにジレンマあり、といった感じです。
現実世界の場合、このジレンマを解消するには第三者的介入が必要だったりします。
景気が上がったり競合店が潰れたり、いじめる側が転校したり裁判沙汰にしたり。

その事を結論にしてもいいんですが、ちょっと見方を変えてお話します。
この囚人のジレンマ、研究としてパターン戦略ゲームの大会が行われた事があります。
前日記事の1位~4位にそれぞれ得点を付け、何十回と繰り返した後、どういう行動を起こせば最終的に優秀な結果が残せるか、というものです。
外的要因に頼らず、二者間で最良の解決法を模索しようとしたわけです。

結果はというと、参加した60以上のプログラムの総当り戦で、優勝したのが「しっぺ返し戦略」です。
どういう戦略かというと、「前回の相手の選択を、そのまま今回の自分の選択にする」という、至極単純なものでした。

相手が前回自白なら、今回自分も自白。
前回黙秘なら、自分も今回は黙秘。

人間像として置き換えるならば、「相手を信じ続け、裏切られたらやり返すけど、その後は引きずらずに綺麗に忘れる」という、一昔前に江戸っ子みたいな感じです。
信じる、という事がベースになってるわけ。
この行動パターンの面白い所は、

・一対一では、自分が勝利する事は無い。
・余程特殊な相手でない限り、基本的に上手くやっていく。
・ゆえに全体としては、最終的に高得点を叩き出す。

という、損ばかりしてるようで勝ってしまう点でした。
逆に、相手を裏切ってばかりで高得点を狙うタイプの戦略は、最下位付近に多かったそうです。

こうして見ると、人を信じるという選択は人間関係でも重要なファクターなんだろうなぁと痛感する。
時には馬鹿を見るかもしれないけど、最終的にはそれが得になる。
現実世界ではそう簡単ではないとわかりつつも、迷った時はこのジレンマを思い出したいと思う。

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