2007年10月7日日曜日

再生医療

「ES細胞って何か判りやすく解説せよ」という指令を受けて話したところなので、こっちにも簡単に書いておく事にする。
今日はネタ探しの時間を潰せて助かった。

ES細胞というのは幹細胞の一種で、「あらゆる細胞へ分化できる可能性を持った細胞」というものです。
通常の細胞は、一度分化が終わってしまうと分化後の細胞にしか分裂できません。
例えば、皮膚の細胞が心臓の細胞にはなれないし、肝臓の細胞は胃の細胞にはなれません。
しかし、分化が行われる前の細胞であるES細胞の場合は、皮膚にも心臓にも肝臓にも胃にもなれます。この全能性こそが、ES細胞の特色。

もしこのES細胞の作成・増殖に成功したならば、医療技術は間違いなく一つ上のフェーズへ移行できるはずです。
何かが欠損して発症する病気(白血病、糖尿病など)は、間違いなく完治させることができるでしょうし、もっと言えば内臓を丸ごと交換する事だって理論上は可能になります。
現状の医療は「欠損したものの代替手段を考える」のが精一杯であるところに、「再生して治療する」選択肢が増える事になるわけ。

とはいえ、問題もあります。
このES細胞の作り方は通常、「受精卵の細胞核を患者の細胞核に置き換える」という手法で行われていて、これはそのままクローン人間を作る手法と同じものになってしまう。
クローン人間は認めないのにこっちは認めるのか?という倫理上の話があるのは当然なわけで。
それを回避する手法を確立する必要があるそうな。頑張れ研究者達。

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