2007年3月25日日曜日

確率問題(解答編)

前日記事の解答編です。
※できれば問題を見た後で読んでください。


【解答】
A.すべて同じ確率なので、選べない。


となります。
「選べ」と示したのは、ちょっと卑怯だったかな?
ではなぜ同じ確率なのか。
それは三つとも、10回投げた場合に起こり得るパターンの一つを示しているに過ぎないから。

分かりやすくする為に、回数を2回に減らして考えてみます。
2回投げた場合のパターンは、(白白)(黒白)(白黒)(黒黒)の4パターンで、1/4の確率ですね。
(黒白)と出た確率が(白白)と出た確率より上ってわけではない。
それを10回に拡張してみればいいわけです。
つまり1.2.3とも、1/2の十乗・・・1/1024って事になります。


実は正解したかどうかはあまり重要ではなくて、真意は第一印象にあります。
問題を目にした時、三つのうち3番が最も「それらしい」と感じませんでしたか?
そこから出題者の性根を疑って慎重になったかどうかは、人それぞれでしょうけど。

・コインで表と裏のどちらかが出る確率は1/2、だったら確率通りの3番だ。
・白が10回連続で出るなんてありえない。経験上3番の出方は有り得る。

おそらく根底にはこういう感覚があったのではないでしょうか。
こういった思考認識の事を『代表性バイアス』と呼びます。
表面的な特徴や突出した特徴(代表的なもの)から物事の類似性を発見し、判断する。
今回の問題で言えば、日常では適当に表裏が混じった組み合わせの方が圧倒的に多い為、解答と結び付けてしまう。

これは脳が処理をショートカットし、効率を上げる為に日常的に行っている事です。そういう意味では過去に述べた素朴理論に似ています。
人間らしい凄い機能なんですが、だからこそ間違う場合もある。
そして間違いに気付けない結果にもなり得る。


目にして感じた事が、常に真実であるとは限らない。
その事を覚えておくだけでも、多分、視野を広げる事になるんじゃないかと思うんだ。

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