2007年4月11日水曜日

【解説】ゲシュタルトって何ぞや?


ゲシュタルト崩壊という言葉を一度は聞いた事があると思う。
代表的な例で言えば、同じ文字を何度も書いたり見たりしてると「あれ、この字ってこんなだっけ?」と感じてくるアレです。
ではそこから一歩進んでみましょう。
崩壊って言葉は分かるけど、ゲシュタルトってそもそも何?
人名、ではありませんよ。

ゲシュタルトとは、ドイツ語で「形態」を意味するGestaltの日本語読みです。
人間の感覚や精神は個々を認識するというより、全体の形態を認識し意味を得ているんだから、それを重視すべしという学派があります。それがゲシュタルト心理学。
例えば絵で考えてみよう。
1m四方のキャンバスから1cm四方を切り出して見ても、ただの線や点や単一色でしかありません。それだけでは意味がわからない。
でも全体として見ればその絵が何を表しているのか分かる。全体性にこそ意味がある。
ゲシュタルト崩壊は、「意味のある全体性」が消失する最も良い例である為、学派にとって一番説明しやすい現象なわけです。

ちょっと分かり辛いかもしれないので、図を参照してください。
図1では曲線であるAとB、直線のCとDには連続性を感じる。でもその他の組み合わせは違和感を感じるはずです。
でも図2のように元々それしかない場合は、違和感を感じにくいのではないでしょうか。
我々の認知が全体に意味を与えてしまう要因として存在しているせいだ、というわけ。
川柳で言えば、『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』ってところでしょうか。

日本人は世界有数の「心霊写真」や「オカルトフィルム」に影響されやすい民族です。
そういう意味ではゲシュタルト性質的民族という事なのかな。良いのか悪いのかは別にして。

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