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2008年6月14日土曜日

延々と落ち続ける物体

惰性と呼ぶにもおこがましい位に期間が空いてますが、まぁ気が向いたので。
書くのは相変わらず雑学です。ワンパターンな感じ。


どうも一般的に勘違いされているようですが、人工衛星ってのは「宇宙空間に浮いているもの」では無い。
宇宙は無重力空間であるという認識が強すぎるせいでそう思うらしいのですが、地球の重力(引力)ってのはそれほど甘いものではないわけで。
じゃあ人工衛星はどうやって?ってところを説明してみようと思う。

少し想像力をお貸しください。
手にボールを持ちます。そこから手を離してみます。普通に地面に落ちますね。
今度は軽く投げてみます。10m先で地面に落ちました。
次に思いっきり投げてみます。50m先で地面に落ちました。
これらの事から、「物体にかける運動エネルギーが強ければ強いほど、重力に逆らう事ができる」という事が概念的に分かると思います。

じゃあ、もっともっと運動エネルギーを加えてあげたらどうなるでしょうか。
当然、ボールは地面に落ちるのを避け続ける事になりますよね。
そうなると地球は丸いですから、地面に落ちないままグルッと一周して戻ってきてしまうでしょう。二周目突入です。
じゃあ二周目でボールは落ちるでしょうか?落ちる訳ありません。
この「地球を一周してしまう運動エネルギー」が何らかの形で損なわれない限り、このボールは三周でも四周でも百周でもしてしまう。
つまり重力と、重力に対して垂直なベクトルで移動する物体における運動エネルギーが等しくなるポイントでは、物体は「延々と落ち続ける」事になる。
これを大規模に置き換えたのが人工衛星の概念、というわけです。
ただ浮いているように見えるけど、実は物凄い速度で「慣性飛行してる」んです。奴らは。

概念は理解して頂いた(かどうかは本当のところ多少不安な)ところで、じゃあなぜ数百kmも上空を飛ぶハメになっているのか。
一番大きな理由は空気抵抗が少なくなるからです。
先に述べたボールの例は、実際にやってみても上手くいかないだろう事は容易に想像できると思います。
なぜなら地表付近には濃密な空気が充満している為、それが抵抗になって簡単に運動エネルギーを奪ってしまう。
対して地表から数百km離れると、大気は薄れ、運動エネルギーを奪う要因は少なくなります。
要因が少なくなるという事はそれだけ安定して長期間飛べるという按配。

まぁ、いくら宇宙空間でも完全な抵抗ゼロなんて有り得ないから、徐々に軌道はズレ始めるんですけどね。
それを修正する為の燃料も積んであるんですが、無尽蔵にあるわけじゃないので、それが無くなったら大気圏に突っ込んで燃え尽きてしまいます。
そこで人工衛星の一生は終了、ってわけ。

2008年4月30日水曜日

確定された未来

ネット上の知人と小説について話してた時に思いついたネタ。
ネタというより雑学ですが。


これから言う、ある知的生物を思い描いてください。
その生物はあらゆるものを観て、計算して、その答えを弾き出せるものとします。
その生物の前で例えばボールを投げてみます。するとその生物はボールの位置・運動量・空気抵抗を瞬時に観測して、落下地点を正確に割り出す事ができるでしょう。

ではその考えを少し発展させます。
あらゆる物質の動きが正確に分かるとするならば、その物質がどう動き、その結果がどうなるかを全て見通せる事になりますよね。
宇宙開闢からその生物が世界を観察していたら、全物質の動作から原因と結果を計算して未来の出来事を正確に予測する事ができ、137億年後にあなたがこうしてネットで私の文章を読んでいる事すら分かってるって事になります。
こういう生物を「神」と定義するか「悪魔」と定義するかはお任せしますが。

当然ながら、そんな生物は存在しません。一安心です。
でも実は、存在するかどうかは些末な問題だと思いませんか?
「全ての物質の動きは正確に観測できる」という前提がある限り、未来は決定していることになるわけですから。観測者がいないだけで。
つまり誰も知ることが出来ないだけで、貴方の未来は既に決まってるのです!



まぁ、嘘なんですけどね。
物理法則が全てニュートン力学で計算できると仮定すると、このような話になります。
上記に出てきた知的生物はピエール・ラプラスが考えた「ラプラスの悪魔」と呼ばれるものです。

量子力学が確立した時点で、「未来は決定している」という仮説は否定されました。
なぜなら、ミクロの物質の動きは「決まっているけど人間には観測できない」というものではなく、「複数の状態が共存し合っている」というものだと分かったからです。
例えば一つの電子は複数の場所に存在しえます。
それは複数の場所の「どこかにいる」ではなく、複数の場所に「いる」って事なわけです。理解は難しいかもしれませんが。

物質世界はそういう成り立ちになってるので、仮に全ての情報を知りえたとしても「予測」は不可能って事だ。
実際にその場で観測して、複数の場所に存在するものを一つに確定させてやらなきゃ世界は成立しないってわけ。
よく出来てるなぁと感心する次第であります。

2008年3月11日火曜日

地球の領域、月の間合い

月ってありますよね。27日かけて地球の周りをグルグル回ってるアレです。
その月が現時点で地球に与えている影響の中で、一番有名なのは海の満ち引き(潮汐)だと思います。
月の引力が地球の公転による遠心力に打ち勝ち、一番近い海面(と一番遠い海面を)ぐいっと引き上げているわけです。この力を、潮汐力と言います。
さて、こういった構造を考えた時に一つの疑問が浮かばないでしょうか。
もっと月が地球に近かったら?

潮汐力というものは天体間の距離の三乗に反比例するので、月と地球の距離がもっと近ければ潮汐力は更に強くなります。
現在の38万5000kmという離れた距離でも、実は月は地球の海面のみならず地表までも最大20cm程度引き上げてしまっているのです。
当然逆のベクトルとして、地球からの潮汐力によって月の地表も引き上げられています。
地球の引力は月の引力の6倍程度強いので、月の表面はこの場合120cm引き上げられていると考えてしまっていいでしょう。(あくまで単純計算として)

では本題に戻って。もし月がもっと近かったら?
距離が近づくわけですから、地球からの潮汐力は更に強くなり、月の表面は120cm以上に引き上げられる事になります。
300cm、400cm・・・ぐんぐん距離が近づくにつれて表面の歪みは大きくなり、ある地点でベリッとタマネギの皮を一枚めくるように月の地表が剥がされる事になります。
簡単に言えば、地球の潮汐力に耐え切れなくなったわけですね。
この耐え切れなくなる限界点の事を、「ロッシュの限界」と言います。
仮にこのロッシュの限界の内側に達するまで月が近かったら、近すぎる月はタマネギの皮むき状態を延々と続けさせられることになり、最終的には衛星としての姿を維持できなくなります。つまり、破壊されてしまう。
要するにロッシュの限界とは「衛星が衛星でいられる限界距離」であり、「衛星が存在しえない不可侵地帯」であり、「地球が自身の殻を守る自律防御領域」でもあるわけです。
ちなみに、地球のロッシュの限界は地球半径の約2.5倍の位置になるので、地表から見たらおよそ1万2000km前後の地点となります。


今現在、月が存在するということは、月はロッシュの限界の外で生まれたという事だけは確実なのですが、もしロッシュの限界の内側で誕生していたら地球は高度1万km付近に土星のような輪っかをもつ惑星になっていたかもしれませんね。
それはそれで、見てみたい気はしますが。

2008年3月2日日曜日

確率の世界

2/15に紹介した素敵同僚が、引越しの邪魔になるからとガスコンロをくれました。
我が家の台所も3年目にしてようやくそれらしくなった模様です。わーい。
まぁ率先して料理をする気はサラサラないので、お湯を沸かすくらいにしか使わない気がしますが。
というわけで今日はガス繋がりで、「シュレディンガーの猫」の話。
・・・我ながら、強引にも程がある。


量子力学では、「電子以下の素粒子の動きは確率的にしか計測できない」という不完全性が存在していて、逆にそれを前提として受け入れられたからこそ発展する事ができました。
じゃあその不完全性って何よ?というのをよく表した思考実験が、「シュレディンガーの猫」なわけです。

内容はというと、

・まず猫を一匹用意します。
・そしてその猫を不透明な箱にいれ、同じく致死性のガスを噴出する装置を入れます。
・この装置は1時間後に作動するもので、作動すれば間違いなく猫は死んでしまう事になります。
・ただその装置は性質上、50%の確率でしか作動しません。
・1時間後、猫は死んでいるでしょうか、生きているでしょうか。

こういうお話。
箱を開けるまで、猫が生きているのか死んでいるのかは分かりませんよね。
このような観測をしない状態では、「猫が死んでいる世界」と「猫が生きている世界」が存在しえる。
そして観測する(蓋を開ける)と、猫が生きていれば「猫が死んでいる世界」が、猫が死んでいれば「猫が生きている世界」が消滅する事になる。
つまり、両方の世界を同時に観測する事はできない、というわけ。


※ちょっと面倒な話開始※
量子力学的に、例えば粒子と波動の両方の性質を持つものを計測すると、どちらかの性質しか観測できない、ということ。
粒子としての動きを観測したとすると、それは波動の動きを観測できなかっただけ。
同じく波動の動きを観測したとすると、粒子としての動きを観測できなかっただけ。
粒子と波動の動きを同時に観測はできない。この前提が量子力学の基礎となる。
※ちょっと面倒な話終わり※


この「シュレディンガーの猫」は我々が生きる空間に多世界的解釈を与えるものでもあります。
パラレルワールドとか、Ifの世界とか、物語に出てくる「二つ以上の世界」という概念はこういったエヴァレット的解釈から着想を得ていると言っても過言ではない。
例えばシュレ猫的確率世界に言わせると、私は今日ガスコンロを得たせいで、「ガス爆発事故に会う世界」の存在確率が飛躍的に増大したわけ。
せいぜい気をつけたいと思います。

2008年2月19日火曜日

思い出したように初期幾何学講座

関連:http://www.doblog.com/weblog/myblog/74795/306#306


以前書いた話のおさらいから。

・平面上の図形について言及するのが、ユークリッド幾何学。
・曲面上の図形について言及するのが、非ユークリッド幾何学。

今日はまた非ユークリッド幾何学のお話。


球面幾何学に代表される非ユークリッド幾何学には面白い特性があって、代表的で面白いものを以下に挙げてみる。


1.三角形の内角の和が180度を超える。
2.二角が同角度の相似な三角形は描けず、必ず合同となる。
3.平行線は描けない。

1.については、以前書いた話ですね。
例えば真球の場合は三角形の内角の和は最大270度となります。


2.についてですが、まず相似とは何か。
相似とは、簡単に言えば「形が同じで大きさだけが違うもの」です。
平面上にこのような図形を書くのは全く容易にできます。二辺が10cmの直角二等辺三角形の相似な図形ならば、例えば二辺が5cmの直角二等辺三角形を描けばいいだけです。残りの角度は、どちらも45度づつですね。

では非ユークリッド幾何学ではどうなるでしょうか。
最初の例のように二辺10cmの直角二等辺三角形(仮にα)を描いたとして、その半分の二辺5cmの直角二等辺三角形(仮にβ)を描いても、残りの二角の大きさはα>βとなります。
※具体的な数値は曲率により変動するので割愛※
つまり角度が違うので相似には成り得ない。
そしてこのα>βの差は、二辺を伸ばしていけば縮まっていきます。
では二辺をどんどん伸ばしていって残り二角の大きさがα=βとなるポイントを探っていくと、結局二辺10cmというところになってしまう。そうなると、大きさ・形ともにαとまったく同じですね。
つまりαとβは合同の図形になり、相似は作れないことになる。


3.については・・・なんかもう十分長くなった気がするので延期ということで。
これ以上書いても読み飛ばされそうな気がしてきた。

ではまた。

2008年2月14日木曜日

質量とエネルギーの等価性

ここにきて二日連続更新なんて誰も想像してないと思われるので、あえてやる事にする。


昨日の記事であるところの「面積が重量によって耐えられなくなる」という現象を、もっと判りやすく一般的に例えられないかと考えたところ、いい例があった。

誰もが子供の頃二~三度は考える、「バケツでプリンを作る」という事象。
これ実際にやってみると、バケツから取り出してもプッチンプリンみたく綺麗な台形にはならず、べちゃっと潰れるどころか下手すると崩壊してしまいます。

なぜこんな事になるかというと、質量という名のエネルギーを受け止めるプリンの床側面積がエネルギーを受け止めきれず、漏れ出したエネルギーがプリン全体に及んでしまうからです。
プリンだったら粉の量でも変えて粘性を高めてやれば、余剰エネルギーを受け止める事が出来るでしょう。
でも人間の筋肉はそうはいかないわけで。破綻、というわけ。



って書いてたら久々にプリン食べたくなってきた。
明日買ってこようと思います。

2008年2月13日水曜日

二乗三乗の法則

非常に「な、な、な、何か書かねば!」という気になったので、ちょっと書く事にする。
といっても無駄知識っぽい話ですが。


人間がレイアウトそのままでウルトラマンのように巨大化したら、おそらく自重で立てなくなるだろうと言われています。
なぜかというと、以下のような計算が大前提としてあるから。

・体積(=体重)は身長の倍率の三乗に比例する。
・面積は身長の倍率の二乗に比例する。

これを踏まえた上で例を出すと、例えば170cm・60kgの人が身長2倍の340cmになったとすれば、体重は二の三乗ですから8倍の480kgになります。
じゃあその480kgを何が支えるのかというと、当然筋力なわけで。
最大筋力は筋肉の断面積に比例するので、身長2倍の場合は断面積は二の二乗となり4倍のパワーが出せる事になる。

パッと聞いた限りでは特に問題はなさそうに思えるかもしれませんが、よくよく考えると8倍になった体重を4倍パワーになった筋力で支えなきゃいけないわけで、170cm・60kgの時に比べて筋肉には2倍の負荷がかかってるわけです。
さらに身長が3倍で計算すると体重27倍の筋力9倍で負荷3倍、身長4倍だと体重64倍の筋力16倍で負荷4倍と、大きくなればなるほど過負荷で破綻傾向となってしまうわけ。

まぁ今から地球重力が4倍になったらと想像したら、そりゃ立ってられないわという気はする。
下半身が筋肉で激太りして三角形みたいな体型になったら、話は別かもしれませんが。

2007年11月4日日曜日

回転バレリーナのネタバレ

参考:http://blog106.fc2.com/c/chaosch/file/braintest4672.gif

「このGif見て、時計回りに見えれば左脳人間らしいよ。反時計回りで右脳人間って事らしい」

と紹介されたGifアニメーション。
実際そんな馬鹿な話はなくて、これは単なる連続性を利用した錯覚です。見方によっては時計・反時計回りのどちらにでも見れます。

人間の脳は連続性を維持しようとする心理的傾向を持つので、一度方向性を決めてしまうとそれを覆すのは難しい。
そしてこのアニメーションの実態は、上半身は反時計回りを示してるのに足の流れ及び影が時計回りの傾向を示す為、最も特徴的な足の流れや影などといった下半身中心に全体像を捉えると、どうしても時計回りに見えるというお話。

反時計回りにしてみたい方は、下半身を手でも紙でもいいので隠してみるとよいです。割と簡単に反時計回りになります。
それでもダメって人は、上半身と下半身の両方を隠して腰の部分をちょっとだけ空けてから、そこをじっと見ていましょう。そのうちどっちに回転しているのかがわからなくなります。
そうなってから隠していた上半身を開けば、サクッと反時計回りに見えるはずです。

2007年10月28日日曜日

ペースダウン

ええと、予告通り明日から不定期更新になります。
一年という丁度よい区切りを目指したから毎日更新が出来たような気がしてて、後半はほとんど意地だったような。まぁよし。
今まで読んでくれた方々に普段気付かない知識を与えられたと自惚れることが許されるなら、私としても喜ばしい限りです。

しかしまぁ、初期頃の記事のうちいくつかは消してしまいたいと若干思ったりして。ちょっと恥ずかしい。
でも恥ずかしいと思えるという事は、現時点の自分がその頃よりちょっと成長できたからってことだと思うので、記念に残しておくことにする。

2007年10月25日木曜日

遠回りも程々に

例えば、飲み会などでウーロン茶とウーロンハイを出されたとします。
両者とも色はまったく一緒なので、外見からではどちらがアルコール入りなのかは判断がつきません。
さて、どうしたものか。

そこで科学的に考えてみると、焼酎に含まれるエチルアルコールには破泡作用(泡を壊す作用)という特性がある為、両者をボトルに入れて振ってみれば一発で判るという事になる。
ウーロン茶は泡が長時間消えず、ウーロンハイの方は破泡作用により速やかに泡が消えるはずだ。

・・・とここまで考えて思った。飲み会の席でボトルなんてすぐ用意できないし。
試しに一口飲んだ方が早いな。間違いなく。

2007年10月24日水曜日

科学的に説明不可能な感覚

「以前見た事があるけど思い出せない、初めてのはずなんだけどやった事がある」
こういう現象を一般的に「既視感(デジャヴ)」と呼ぶのは周知の通り。
ではその逆。
「見慣れているはずなのに初めて見たような感じがする、いつもやってる事なのに初経験のような感覚」
このような現象の事を、「未視感(ジャメヴ)」と呼ぶのはあまり知られていない。
まぁ似た現象の「ど忘れ」と感覚が似ている為、実際体験しているはずなんだけどそっちで解釈してしまう事が多いのかもしれないですね。

この既視感と未視感は、物語でも重要なキーワードとして伏線に使われる事が多い。
私もこの二つの感覚を使った物語を一つストックしてるので、いつか書き上げられたらいいなぁと思う。

2007年10月19日金曜日

当たりそうで当たらないもの

久々に確率の話をしたので、最近買ってみようかなと思ってるLoto6の当選確率を出してみようと思う。

【ルール】
・一口200円。
・1~43までの数字のうち、6つを選ぶ。
・6つ全てが一致したら一等当選。賞金はおよそ1億円。


さて、1~43までのうち6つを選ぶとなると何百万パターンあることが想像できる。
そのパターン数を調べればよいということになるね。

【計算式】
6/43 × 5/42 × 4/41 × 3/40 × 2/39 × 1/38

こうなる。とすると答えは・・・720/438944680
通分すると、1/6096454ってことになるか。
ってことは6096454通りの中から1通りを200円で購入して、一致すれば1億円!

・・・それは無理だろう。普通に考えて。
この握り締めた200円は、募金してくる事にする。

2007年10月18日木曜日

意味の有る何か

科学とはちょっと違うかもしれませんが、無駄知識ということで。

例えばコインを10回投げて、表が10回連続で出る可能性は約0.01%です。
実際目の前でやってみて、それが起こってしまったらどう考えますか?

「すごい、運がいい」
「ありえない事じゃない」
「何かトリックがあるんじゃないの?」

考える方向性は様々でしょうが、統計学的に見るとこういう結果は「意味のある事象」として捉えられます。
その基準を「有意水準」と呼び、偶然以外の何かが働いたに可能性があると考えるのが通例。
この有意水準は一般的に5%で設定されますが、分野によっては10%で設定されたり1%で設定されたりする。
最初の話を再び例に出すと、 有意水準を1%に設定した場合、

4回連続で表が出る確率・・・6.25%
5回連続で表が出る確率・・・3.12%
6回連続で表が出る確率・・・1.56%
7回連続で表が出る確率・・・0.78%
8回連続で表が出る確率・・・0.39%
9回連続で表が出る確率・・・0.19%
10回連続で表が出る確率・・・0.097%

となるので、6回までは十分に起こりえると判断され、7回以上は有意水準に達しているので偶然とは考えにくい、と解釈されるわけ。
ただしこの有意水準だけで判断すると、当然二つの間違いが出てくる事になる。

1.タイプⅠエラー(第一の過誤)・・・本当に偶然なのに、偶然じゃないと判断してしまう。
2.タイプⅡエラー(第二の過誤)・・・偶然じゃないのに、偶然と処理されてしまう。

1はそのままですね。例え確率が0.01%でも、絶対起きないわけじゃない。
2は例えば有意水準1%のところに、イカサマして1.1%を続けて出しても場合によってはイカサマとバレない場合があるってこと。極端な例ですが。

確率を考える時は、有意水準に着目しつつ常にこのタイプⅠ・Ⅱエラーの可能性を考慮する必要がある。
まぁ信じすぎてもいけないし、疑いすぎてもいけないってところかな。

2007年10月13日土曜日

ミクロな話

今日はちょっと短い雑学でも。

人間は、大体60兆個の細胞で構成されています。
そしてその細胞の一つ一つに、核が存在します。
その核の中に染色体が23対46本が存在あって、そこにDNAが存在している。

DNAは以前話したとおり、たった4個の塩基で構成されています。
その塩基が色々な配列で、延々と連なっています(例:AGCTTAGC・・・)
23対46本の中にある塩基配列は総計で30億個ほどにもなり、まっすぐ伸ばした場合2メートル程度になるそうな。

たった1個の細胞の中に、30億個2メートルの塩基配列。
物凄く効率よく折りたたんでいるのは容易に想像できるわけで、改めて生命の凄さを実感してしまう。

2007年10月7日日曜日

再生医療

「ES細胞って何か判りやすく解説せよ」という指令を受けて話したところなので、こっちにも簡単に書いておく事にする。
今日はネタ探しの時間を潰せて助かった。

ES細胞というのは幹細胞の一種で、「あらゆる細胞へ分化できる可能性を持った細胞」というものです。
通常の細胞は、一度分化が終わってしまうと分化後の細胞にしか分裂できません。
例えば、皮膚の細胞が心臓の細胞にはなれないし、肝臓の細胞は胃の細胞にはなれません。
しかし、分化が行われる前の細胞であるES細胞の場合は、皮膚にも心臓にも肝臓にも胃にもなれます。この全能性こそが、ES細胞の特色。

もしこのES細胞の作成・増殖に成功したならば、医療技術は間違いなく一つ上のフェーズへ移行できるはずです。
何かが欠損して発症する病気(白血病、糖尿病など)は、間違いなく完治させることができるでしょうし、もっと言えば内臓を丸ごと交換する事だって理論上は可能になります。
現状の医療は「欠損したものの代替手段を考える」のが精一杯であるところに、「再生して治療する」選択肢が増える事になるわけ。

とはいえ、問題もあります。
このES細胞の作り方は通常、「受精卵の細胞核を患者の細胞核に置き換える」という手法で行われていて、これはそのままクローン人間を作る手法と同じものになってしまう。
クローン人間は認めないのにこっちは認めるのか?という倫理上の話があるのは当然なわけで。
それを回避する手法を確立する必要があるそうな。頑張れ研究者達。

2007年10月4日木曜日

生物的特性

猫の面白い特性として、「物を見るときにはまっすぐに見る」というものがあります。
例えば目の前にオモチャを差し出して左右に振ると、物凄い勢いで首を振ってオモチャの動きを追いかけます。

これは猫なりに考えた結果の動きでして、結論を言ってしまえば「なるべく眼の中心窩で捕らえようとしている」という事の表れ。
中心窩で物体を捕らえられたら、色々良い事があります。

・中心窩は最も視力が良い部分なので、物体の判別力が上がる。
・物体への距離感がはっきり判るので、行動予測がしやすい。
・確実な立体視が出来る。

奇襲戦法が生きる秘訣だった猫にとって、獲物を仕留める確実性を上げる為に選択した道なんだろうと思う。
一方人間は、平気で横目による情報収集をやりますよね。これは脳での処理能力が一番の武器だから、情報はあればあるだけ良いからって事になる。

2007年10月2日火曜日

地球で生命が生まれた時からの仕様

地球外知的生命体がいるかどうかは置いておいて、もし未確認生物が発見された場合その生物が地球外からきたものなのかは割と容易に判断が出来る。
単純な話だが、DNAの仕組みを調べればよい。

1.地球上の真核生物のDNAを構成する塩基は、アデニン・グアニン・シトシン・チミンの4個。
2.この4個のうち、3個を1セット(この配列をコドンという)としてタンパク質を構成するアミノ酸1個に翻訳する。
3.コドンから翻訳される、生物を構成する主要アミノ酸の種類は20個である。

こういう仕様。
まず1からだが、地球生命は4個の核酸塩基でDNAが構成されているが、塩基は数十種類あるということ。
次に2については、「塩基3個で1コドン」という事に必然性はない。別に2個で1コドンでもよいし4個で1コドンでもよいということ。
3については言わずもがな。20個以外のアミノ酸で構成されたものなんだからね。

つまり地球外生命かも?と思われるもののDNAを調べて、核酸塩基が4個だったり10個だったりすれば間違いなく確定だし、1コドンの単位が3個以外であった場合もかなり怪しい。
逆に言えば核酸塩基が4個で更に塩基の種類も一緒で、1コドンが塩基3個で翻訳されてたら、いくら「地球外生命だ!」と主張しても鼻で笑われますよと。
数万パターンの可能性のうち、地球外生命が地球生命と全く同じ仕様を使ってるはずがないわけで。
それは間違いなく地球由来の生物だと確率が教えてくれてるわけ。

2007年9月24日月曜日

交雑種という生命

昨日記事の染色体の続き。
染色体数が違う種族同士で基本的に交配は出来ない。
ただ例外もあるのは自然の摂理上、当然の事なわけで。
その異種間の交雑種を洗い出してみた。

【レオポン】
父親・・・ヒョウ
母親・・・ライオン

【ライガー】
父親・・・ライオン
母親・・・虎

【タイゴン】
父親・・・虎
母親・・・ライオン

【ラバ】
父親・・・ロバ
母親・・・馬

【ケッテイ】
父親・・・馬
母親・・・ロバ

【イノブタ】
父親・・・イノシシ(あるいはブタ)
母親・・・ブタ(あるいはイノシシ)


まぁ細かく言っていけば、更にあるんでしょうけど。
基本的に母親になる側が父親より体躯が大きい場合に掛け合わせが可能なようです。
そうしないと、胎児が大きすぎて母体が耐えられないから。

レオポン・ライガー・タイゴン・ラバ・ケッティに共通する特徴は、
「生殖能力が皆無、あるいは極端に低い」
というところ。
これは染色体数が二の倍数(2n)でない場合が多い為、受精時の減数分裂が上手くいかないから。
減数分裂とは、まぁ細胞分裂みたいなものです。二つに割ろうとしてもその個体の染色体数が奇数だったら、上手く半分にはならないですよね?
そうなると染色体不分離で致死に至ってしまうわけ。
生物ってのはなかなかよく出来ていて、そして難しくもある。

2007年9月23日日曜日

生物の多様性

生物の設計図は何かと言われると間違いなくそれは遺伝子で、遺伝子がどこに存在するかというと、染色体の中にあるわけで。
染色体は「ゲノム(遺伝情報)を刻む箱」という意味では種族間で共通なのだが、個々の種族によってその染色体数が違う。例えば人間が23対46本であるのに対し、チンパンジーは24対48本など。

サルと人間の間に子供が生まれない理由はまさにここで、染色体数が違う為に掛け合わせられないボタンのような状況になる為。※1
サルが更に細分化して23対46本の染色体数をもつ種族が出てくれば、人間との間に子供ができるかもしれませんね。
まぁその細分化したサルの一部が、人間なのかもしれませんけど。

参考までに、種族毎の染色体数を記載。

【動物編】
※ +1の意味は、性染色体で性別の確定に使われるもの。
人間          22+1対(46本)
チンパンジー     23+1対(48本)
新世界ザル       7+1対(16本)
メガネザル      39+1対(80本)
犬            38+1対(78本)
ハイイロオオカミ   38+1対(78本)
猫            18+1対(38本)
牛            29+1対(60本)
馬            31+1対(64本)
ロバ           30+1対(62本)
家庭ウサギ      21+1対(44本)
野ウサギ        23+1対(48本)
ニワトリ         38+1対(78本)

などなど。
ライオンと虎の染色体数も調べたけど、分からなくてちょっと消化不良。
誰か知ってたら教えてください。


※1
染色体数が違っても、極稀に例外として繁殖されるものがあります。
例えば、馬とロバを交配させたラバなど。
その場合、染色体数は31+1対(63本)なんていうちょっと奇妙な形になる。

2007年9月20日木曜日

データ保護って重要 【利害編】

昨日に引き続き、RAIDの話。
今日は現在使用されているRAIDのうち、0・1・5・6についてメリットとデメリットを書いてみようと思う。


・RAID0
【メリット】
→データを分散して書き込むので、パフォーマンスが高い。
※例えば100GBのデータをハードディスク5台のRAID0に記録する場合、それぞれのディスクに20GB分づつ書き込む為、単純計算では通常の5倍早い事になる。

【デメリット】
→耐障害性がゼロ。
→それどころかハードディスクが多ければ多いほど故障率が高くなってしまう。
※一つが壊れれば全体が壊れる為、例えば単体での故障率が1%であるとすると、5台の場合は1%×5台で5%が全体の故障率となる。


・RAID1
【メリット】
→復旧速度はダントツで速い。
→復旧時のパフォーマンス低下が少ない。
→昔から使われている為、実績が高くRAID1そのものによる障害は発生しないと考えてよい。

【デメリット】
→コストは最悪。
※データ領域は構築台数の1/2になる。例えば4台のハードディスクでRAID1なら、データ領域の実際の容量は2台分。
→復旧時、オペレーションミスでのデータロストが一番起こりやすい。


・RAID5
【メリット】
→コスト最強。
※どれだけ大規模なRAID5でも、ハードディスク1台分の領域が削られるだけで済む。10台でRAID5なら9台分がデータ領域で使える。

【デメリット】
→データの書き込み速度はかなり遅い。
※再構築用のパリティ情報を書き込みながら作らなければならない為。
→復旧速度も割と遅い。
※パリティ情報から複合化をしなければならない為
→ディスクが二個同時に壊れるとアウト。


・RAID6
【メリット】
→RAID5の弱点だった、ディスク二個の同時故障に対応。
※とはいえ三個同時だとこっちもダメ。確率的にありえないけど。

【デメリット】
→パリティを二重に作るので、RAID5より更に書き込み速度が遅い。
→実績があまりない為、想定外の障害が起こりえる。


とまぁこんな感じです。
お金を湯水のように使えるならば、RAID0とRAID1を組み合わせたものが耐障害性・パフォーマンスの面では最も理想的です。
しかしどんな大企業でもコストを削減しようとするのは当然の事なので、実際はコスト面での最適解であるRAID5を導入するところが多いです。

ちなみに我が家のデータサーバもRAID5で作られています。
書き込み速度が本気で遅いので、かなりイライラする時もありますけどね。データをロストするよりはマシってことで。
しかしRAID5でこの速度なら、RAID2・3・4はどんだけ遅かったんだよと思わないでもない。廃れたのも道理だなぁ。